MASAO SHIMIZU(マサオ シミズ）の再構築デニム（ライトブルー）です。

再構築デニムは毎シーズン、限定生産されるブランドのアイコン的アイテムです。
職人一人が裁断から縫製までを行うビスポークの世界で言われる丸縫いで生産されています。
そこには洋服理論を熟知した上で根拠と裏づけに基づいたパターンとデザインが存在しています。
古着特有の経年変化によるアタリや元々隠れていた縫い代部分を表に持ち出すことで現れる陰影を
デザインディテールとして用いるだけでなく、それらを独自のパターンに落とし込む事で立体的に表現させています。 
それを一針一針、元の針穴に糸を戻すように丁寧に縫製させていきます。
出来上がったものにはリメイクの顔はなく、アート作品に近い顔をうかがわせます。
平たく言うと職人がアート作品を作ったような洋服です。
今シーズンのモデルは本来端役であるサイドシームをデザインの中心に捉えるというテーマでデザインがされています。
フロント部分に元のサイドシームを移動させ、アタリを直線で表現しています。また左右の脚がアシンメトリーになっています。
このサイドシームの糸を一つ一つ解く作業は非常に根気のいる作業で量産工場ではまず行えない職人ならではの工程です。
ウエストは元の腰帯部分を丁寧に糸を解き、本来内側に隠れていた色落ちしていない部分を表に出す事でアタリが出ている部分と
色の陰影を作っています。またベルトループは元の縫い付け部分に合わせて取り付けしている為、半分下がった位置に配置されています。
こちらもちょっとした小技ですが、全体のバランスを作るうえで重要なデザインになっています。 
フロントポケットは元々のポケット部分のみ切り取り再貼り付けしていますが、
あくまでデザインとして残すのみで実際のポケットはサイドに縦ポケットとして構築されています。
トロンプイユ（騙し絵）のような印象が特徴的です。
バックヨークは反転させる事で元々裏側になっていた部分を表に出しています、また主張しすぎないように縦幅を少し短くし再構築しています。
ヒップポケットは元々のポケット部分を剥がし、色落ちしていない内側の部分を表に見せています。右ポケットのみ、少し下にずらした位置に
元のポケットを貼り付けています。

又VELISTAのリクエストで裾にアタリ部分を残す為、元々の裾部分を元の縫い目に合わせて糸を落として縫い付けてもらっています。
これによってまるで元からレングスが合っていたように見える工夫を凝らしています。

シルエットはスラックスのように穿けるよう程よくテーパーを利かせたパターンになっています。
リメイクデニムという扱いを遥かに超えたアイテムですので、革靴との相性もよくTシャツとコーディネート頂いてもカジュアルに落ち着く事もありません。
また内側の縫い合わせ部分の縫い代は凹凸が極力出ないように割ってプレスを充てており、
USEDデニム特有の生地の柔らかさも相まってフィット感のあるシルエットながら長年穿き込んだような心地良さがあります。
デザインの主張で終わるのではなく、ビスポークのようにストレスを感じる事なく着用出来る所まで考える拘りを持ってモノ作りしています。


男性model 173cm size:2着用 女性model 155cm size:1着用

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