VELISTA(ヴェリスタ)のアーティザナルベスト(レッド)です。
毎シーズン、ほんの少しの型数に絞ってヴェリスタ専属の職人と展開しているVELISTA(ヴェリスタ)のオリジナルレーベル。今期は二型作りました。その一つがコチラです。当店職人の技術が存分に発揮されたモデルです。
フロントVゾーンの断ち切り部分は、本来縫い代として内側に織り込む箇所で縫製前の制作途中の工程をそのまま残し、デザインとして見せています。更にハンドステッチを施し、その縁にグログランテープをパイピングのように走らせています。
そして前身頃の中央と裾にもわざとラフなピッチのハンドステッチを走らせ、のっぺりする単色生地にアクセントにしています。
ロングベストのようでもあり、スリーブレスジャケットのようでもある独特なデザイン。
オリジナルレーベルのデザインは当店スタッフが全て生み出します。このモデルも当店の女性スタッフが日常の中からイメージして作りました。
デザイナーが作る洋服にはない身近なアイデアと多様で物作りに拘りを持ったブランドを売り場で見ている販売員だからこその視点がオリジナルレーベルには盛り込まれています。
着こなし易いけど保守的なデザインでは満足できない、そんな声は年齢を重ねた方々からもよく聞く声。
コチラのアイテムはそんな声(今回は女性)を要所要所に投影しています。
一つは着丈とVゾーンのバランス。
女性が最も気になるポイントは着用時の体のラインですが、ややAライン調のパターンにしているのですが、ウエストの絞り位置をやや高めに設定している事とフロントのVゾーンの深さとのバランスで足長効果も得られるようにデザインしました。
またヒップラインを見せたくない声も反映させ着丈の長さもヒップしっかり隠れる丈にした事で隠すだけでなく合わせるボトムスのシルエットや丈も選ばずにコーディネート出来るようにしています。
袖はフレンチスリーブのようにデザインしているのでレイヤードするインナーのスリーブの太さも自由に合わせ易く、更に肩が隠れる事で二の腕が細く見える効果も併せ持っています。
また両サイドの裾にスリットを設けている事でローゲージのような肉厚なニットを着込む事も可能です。スリットにはバランスの良いカラーの本水牛ボタンを採用していますので、深くスリットを開ければ裾が揺れるように動きが出てエレガントさも加味されモード感のある印象にも変化します。勿論、ボタンホールは手縫いで仕上げています。ロウ引きした絹糸を使っていますのでボタンの留め外しは片手でも可能な程、滑りの良さと柔さを持っています。
更にバリエーションを持った着方ができると言うのも一つのテーマにしており、前後どちらでも着用可能なパターンにしています。更に裏面のパイピングの美しさによって表裏も着用可能にする事ができます。裏面を表側にするとフロントのV ゾーンの丸味のあるパイピングや裾周りの直線的なパイピングがポイントになって、少しトラディショナルな雰囲気にも見えるのでデニムと合わせても良いと思います。
そして今回採用した生地はイタリア最大の毛織物産地“ビエラ”を代表する生地メーカーのDRAGO(ドラゴ)(※1)のCORTINA(※2) -コルチナ-130'sの細番手ウールを採用しました。
カラーはダークブラウン、ライトブラウン、ブラック、ホワイトなどの糸を織り交ぜ奥行きのあるグレーベージュです。クラッシックな雰囲気ですが肌の色に近いことで顔色が良く見える効果があり同色系の暖色系のベージュが合わせやすく、また寒色とのコーディネートの時も濃紺〜アイスブルーまで明るい色合いの物にも良く合うカラーです。
(※1)イタリア最大の毛織物産地“ビエラ”を代表するドラゴ社は、糸の紡績から生地までを一貫してつくる、同地区でも唯一、また世界的にも珍しい生地メーカーになります。その最大の特色は、Super130s’以上の細番手の糸の生産しており、そのシェアは全世界の70%を誇っています。また、スーツ用生地としては最も細番手となるSuper210s’の生地を開発・生産していることで大きな注目を浴びています。生地のクオリティーは、イタリアの“Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)”や”Loro Piana(ロロ・ピアーナ)”と並び、高いコストパフォーマンスを生み出し続けています。紡績から生地になるまで全て自社内で行える生産ラインは世界でも少なく、ドラゴの安定した品質を保っています。そこから、最新のナノテクノロジーを駆使してウールの質感を変えずに防湿、防シワ、撥水効果を高級生地に与え、従来の高級ウール素材にありがちな繊細な印象を刷新し、雨が多く多湿な気候を有する市場においても絶大な評価を獲得しています。
(※2)Super130s’ウールの原毛を贅沢に使用した70番双糸(※1)で織り上げる事で、これまでのイタリア素材の特性でもある薄く光沢のある素材とは区別した、原糸そのものの良さを実感できる仕上りとなります。柔らかさはイタリア生地、生地の張りやコシ感はイギリス生地と言った質感を楽しめるコレクションです。
70番双糸とは・・・番手は糸の太さを表す単位。双糸とは、2本の糸を撚り合わせた糸で太さが倍になり、1本の糸よりも強度が増します。
MODEL:155cm SIZE:F着用
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