ENZO BONAFE(エンツォボナフェ）のケーリーグラントⅢ（ネロ）です。

本モデルは当店のエクスクルーシブ仕様となっております。
ベースが完成されているので大きく手を入れることはせず、コバの張り出しを若干マイルドにし、インソールに記載される手書きのサインをゴールドにして頂きました。
着用すればいずれ消えて無くなってしまうインソールのサインですがブラックに浮かぶゴールドのサインが足入れする前に、いつも以上に気分を高めてくれると思います。

グッドイヤー製法とマッケイ製法をミックスした2C（ドゥーチェ）製法。2C（ドゥーチェ）製法とは簡単に言うと二つの木型の良いとこ取りした製法です。
グッドイヤーウェルト製法はオールソール修理が何度もできて履くほどに足になじみますが、履き始めはソールが固いのが難点。片やマッケイ製法は軽やかな履き心地とコバの張り出していないすっきりとした外観という長所を持ちますがが、修理回数に限度があります。エンツォ・ボナフェはこの両方の製法を扱えるだけでなく、なんとこれら2つを組み合わせた2C製法という技術を持っており消耗の少ないウェスト(土踏まず部分)のみマッケイ製法で、その他の部分はグッドイヤーウェルト製法で縫合することで、それぞれの長所を活かした実用性抜群の製法です。
木型はBONJU、日本人の足型にマッチする木型として人気です。

ヨーロッパ各国のVIPに愛用され、イタリア文化振興に寄与した企業100社のうち1社として、大統領より表彰を受ける栄誉与えられた由緒あるブランドらしく、手間暇を掛け、高い技術力を持って靴づくりをしています。
なかでも昨今代表的なモデルとして人気の高い此方のモデル、CARY GRANT（ケーリーグラント）は1，2，3とマイナーチェンジを繰り返し発売されてきました。
名前の由来はイギリスの俳優「ケーリーグラント」から取られており、グラント氏が履いていた靴をイメージして作られています。
恐らくビスポークを履いている思われ、ヒールが少し高めの設計値でデザインされている辺りも、しっかりと踏襲されています。

本モデルは3に当たるモデルで1，2に比べ日本人の足型に合わせてトゥを捨て寸を少し短く設計しています。それによって裾巾の狭いボトムスとのバランスがよくなり、ドレスシーンだけでなく、カジュアルなボトムスとの相性も更に良くなっています。

アッパーはドイツの名門タンナー、ワインハイマーのボックスカーフを使用しています。濡れたような艶が特徴のエレガントな風合いがあります。エイジングによって更に艶が増していきます。

特徴的なデザインは一般的なサイドゴアブーツよりもショート丈。デミブーツとも呼べる丈設定。これの最大の効果はパンツの裾が踵に引っかからないという事。ブーツを履いた状態でしゃがんで立ち上がる時にパンツの裾がブーツの踵の履き口に引っかかることを経験された空も多いはず。そのストレスを解消してくれます。
またヴァンプ（アッパーのレースステイよりも手前全体を覆う部分）から足首に掛けて角度を付けているので窮屈でないフィット感が履きやすさを実現しています。

そしてバックシルエットが美しいピッチドヒール。トゥは若干スクエア気味なので実寸では捨て寸長めですが、見た目感じさせません。
アウトソールはヒドゥンチャネル仕上げなので、ソールの糸切れの心配もございません。