SLOPESLOW（スロープスロウ）のタートルネックセーター（ブリック）です。

畦編みのタートルネックセーター。
ローゲージだけれど軽く仕上がる素材の特性が生きた、とても着やすいセーター。ショルダーパッチ状に入れた切り替え、表に見せた縫い代でシンプルだけれど存在感がある仕上がりを目指した。タートルの衿接ぎは丁寧に手接ぎで縫い代がなく輪編みのように仕立てている。

about this material
わたしたちのファーストコレクション22AWからの継続素材。今回型は2型に絞り、全て新色にブラッシュアップして展開している。サイズもLを加えて3サイズに。
新作のロピーセーターと同じヤクとシェットランドウールをミックスしたオリジナルの糸。加えて今回ヤクのカラーも別注で制作。ニュアンスのある茶系(赤味のレンガ、黄味のマロン)2色と、黒とナチュラルホワイトの杢糸の3色で展開。
素材の独特の風合いは、手で編み機のキャリアを動かす「手横編み機」で度目をゆるゆるに編み、縮絨(洗いの工程)でぎゅっと圧縮して縮める手法によって作られている。
わたしたちがオリジナルで開発したこの素材は、その手法を大っぴらに明かしたところで誰も真似できない。
色やちょっとした条件の違いでサイズ感や肉感が安定せず、リカバリーが半端なく大変なのでわたしたちのように家で洗い直し、セットをする意気込みでもないと手を出せない難度の高いやり方だからだ。小規模、手間暇をうたっているわたしたちならではの企画。懲りずに継続します。

デザイナー談
タートルネックセーター、いまだにトックリセーターと言う渋い方々もいるだろう。
人によって好みがある。家や家具と違って身につける物は似合う、似合わないもある。
タートルネックセーターは比較的、好みが分かれるアイテムだと思う。
そうと分かっていながらも、Slopeslow にはタートルネックセーターが多い。答えは簡単、好きなのだ。
昨年のInstagramでも書いた気がするが、タートルネックセーターは1970年代のアラン ドロン、マルチェロ　マストロヤンニのような、何処かヨーロピアンな薫りがする。と勝手に思っている。
「もみあげ」感と言うのだろうか。
好かれようと嫌われようと、大好きなタートルネックセーターであるから、仕立てにも拘りがある。
襟を手編みの場合は輪編みで、機械編みの場合でも縫い代を付き合わせで手接ぎして、接ぎ目のない筒状にしている
そうすると、襟を立てたり、好きな所で折り返したりしても縫い代がないのでとても美しいのだ。
ヤクとシェットランドウールをミックスして作った畦編みのタートルネックセーターは、面倒な手接ぎの工程を当たり前のようにやってくれる、国内の誠実なニット工場で作られている。
ソフトで肌あたりの良い風合いに仕上がるよう、目を緩めに編んで洗いの工程でふわっとヤクの風合いを出すようにしている。
昨年はひっそりと展開されていた継続モデルなのだけれど、何故か今年は人気者になった。
もみあげが流行っているのだろうか。