forme（フォルメ）のマルセルーミネルバ（ブラック）です。

長く愛されているビンテージバッグを現代ならどう作るかといった発想からスタートしたformeのバッグ。
此方のモデルはフォルメのバッグシリーズの中の定番モデルの一つです。クラッチバッグにショルダーストラップを取り付けたデザインが用いられています。
この無駄を削ぎ落とした、このシンプルデザインの元になったのはアメリカのブランド、コーチが80年代後期から始めたリブランディングによって生まれたモデルがデザインソースになっています。
ラグジュアリー路線から、よりファッション感度の高い若年層に向けたシリーズのモデルがベースになっている事からも現代的なコーディネートにもベターなデザインは上品さも兼ね備え、年代に囚われないデザインへとブラッシュアップされています。

（革について）
本モデルに使用されている革は日本国内でピット鞣しされた牛革のミネルバレザーです。
ミネルバと言えば美しいシボを持つイタリアのバダラッシカルロ社が有名ですが、本革も同様に自然なシボが特徴で経年と共に艶が現れ、美しく深いブラックカラーへ変化する特徴を持っています。ピット鞣しとは、植物の樹脂タンニンが入ったピット槽に漬け込み、多くの時間を掛けて皮を漬け込むことで油分が多く含まれ曲げに強い革質へと変化します、使えば使うほどに革にコシが生まれ馴染んできます。ピット鞣しは化学薬品を使用していないので環境にも優しい生産方法としても愛着を持てるポイントです。
因みに別の鞣し方としてタンニン鞣しが有名ですが此方は革をタイコと呼ばれる大きな樽に入れてぐるぐると回すことで繊維をほぐして、タンニンを浸透させます。ピット槽鞣しは革をじっくりと漬け込むことでタンニンを浸透させています。
どちらが良いと言う事ではありませんがピット槽鞣しの方が皮の動かさずに漬け込んでいるので元々の風合いをより強く残します。
なお100％植物性で鞣されたタンニン革、ピット槽で鞣された革を色が付いていてもヌメ革と称されます。

プロダクトが持つ空気感を更に高める要素としてファスナーにはヴィンテージ感のあるWALDESを採用、全体の雰囲気をグッと引き締めてくれています。革が上質なだけにファスナーのデザインによってはラグジュアリー過ぎる方向に行ってしまう所を日常感も感じさせるWALDESのチョイスは秀逸です。

ボディの左右に付属された金具はショルダーを取り外せる仕様になっていますのでクラッチバックとしても使用可能ですし、バックインバックとしても使えるコンパクトなサイズです。ショルダーストラップは20センチの調整が可能ですので斜め掛けも可能です。