AQUELLOS OJOS VERDES BISHU（アケヨス オホス ヴェルデス ビシュウ）のハリントンジャケット ディープインディゴ ボア（メランジインディゴ）です。

和製英語スウィングトップと言った方が馴染みがあるかもしれません。
ウエスト丈のショートジャケットです。昨今の日本の気候を考えると腰丈のウィンターアウターが最適かも知れません。

1960年代のドラマ「ペイトンプレイス物語」でライアン・オニール演じるロドニー・ハリントン役に由来しています。衿には肉感のあるコットンボアを使用。1/3綾、一般的なデニム組織です。
SC12-6~8のラチネと同じタテ糸インディゴ枷染めの40/2を並べて、ヨコ糸にはハリスツイードのウー
ルTOPを3色ランダムに配置し、ヨコ糸が沢山出てくる裏面のみを起毛し、ボアのように仕上げました。
表にもヨコ糸のハリスがチラチラ見えてきて非常に、見た目も表情も楽しい生地に仕上がりました。
裏地は今回NEXTTEC社のEPICを使用。米軍レイヤリングシステムECWCSにも採用。シリコンカプセル化技術という繊維の内側にシリコンバリアを施すことで、生地の吸収性を大幅に減らし洗っても撥水性が失われない耐久機能素材です。
裏地に関しては水洗いor石油ドライクリーニングのみ対応となります。

一般的にはコットンギャバジンを用いる事が主とされている本モデルですが、アケヨスらしく尾州で織られた奥行きのある表情のウールツイード。クラッシックな要素を強めながらもライニングには実用性の高いモダンファブリックを採用する事で快適性を担保しています。

古くからドレススタイルからカジュアルスタイルまで幅広いシーンで愛されてきたクラッシックなデザインですのでボトムスにはトラウザーやデニムパンツが定番の組み合わせですが、今からの気分は適度にフィットしたストレートシルエットのトラウザーズがお勧めです。

<SCENE12>
“Logarithmic spiral”
今回はじめに浮かんだワードはミッドセンチュリーモダン。
中でもイサムノグチは日系人の彫刻家でありながら当時ハーマンミラー社でディレクターを務めていたジョージネルソンに誘われて作製したノグチテーブルはそれまでのインテリアデザイナーにはなかった発想です。
それまでの建築と権力を切り離しバウハウスを源流にMOMAを代表とする近代美術のシンプルな白い部屋に権威的ではないものを置くことは、モダンデザインの誕生に繋がっていったのです。
多彩なミッドセンチュリーモダンの世界やノグチ自身の上品でシンプルなワードローブに惹かれると共に、同時代を生きた20世紀を代表する女流画家ジョージア・オキーフの無機質な世界にも強く惹かれました。
花やNYの高層ビルの作品群でモダニズム作家として名を馳せジェンダー格差にも挑んだ彼女は、カメラマンの夫の作品にも度々登場し、また夫亡き後にも移り住んだニューメキシコの荒野や自宅で撮影されたポートレートは圧巻です。
また彼らのワードローブに登場してくるデニムたち。
強くアメリカ的な印象をもたらすデニムですが、その語源となったのはフランスでした。
“Serge de Nîmes”
セルジュ・ドゥ・ニーム直訳するとニーム産の綾織物、盛んになった17世紀当時の生地はコットンではなくシルクやウールでした。
バウハウスからミッドセンチュリーモダン、セルジュ・ドゥ・ニームからデニムへ。
欧州から新大陸へ、全ては螺旋を描くように広まり独自に解釈され文化へと定着していく。
源流を紐解きながらAquellos流に解釈していきます。