AQUELLOS OJOS VERDES（アケオス オホス ヴェルデス） のトラッカージャケット＃ヴァンゴッシュ”（プリミティブブラウン）です。

”二つのひまわり” 1887年
モネら初期印象派の技法、分割筆触を継続しながらポスト印象派のヴァンゴッホはより大胆な表現になっていきました。後の画家たちにも大きな影響を与えた彼の作品を生地にします。
今回取り上げたのは”二つのひまわり”。
画面一杯の二つのひまわりは力強いタッチで描かれ、その分割筆触は撚り杢にして表現しました。
補色のコントラストを生かしながら、柄が出やすいピケ組織にしたのは彼の作品によく出てくる畑の畝を表現しています。土の盛り上がった部分はアルパカのループヤーンを配置しミルド仕上げで馴染ませました。
上品さの中に彼の作品の朴訥さが現れたような生地に仕上がりました。

いわゆるGジャン1st型です。
Van Goghの生地が畑の畝を表現している所からいわゆるワークウェアに行き着きました。
大の大人がこんな着丈の短いジャケットを着ていいものか?中学生ぶりにGジャンを着てみると新鮮さと長く愛されてきたオーセンティックなアイテムとしての完成した強さを感じました。
特に前のタックがいいと頷き、Aquellosの服ではないような様に何度も見惚れてしまう。タック部分はʼ40Sの英国ヴィンテージストックの糸で一点止めでそれぞれ止めました。

(テーマ）
印象派の巨匠クロード・モネの絵画技法を生地に落とし込んだ過去作”Water lily”は私にとっても思い出深い生地になり
ました。今回はその後に続く時代別の3人の画家からインスピレーションを受け生地に落とし込みます。
モネを中心とした初期印象派が1870年頃から世に出始めた後、目まぐるしく変遷していった絵画の世界。
ポスト印象派、野獣派、エコール・ド・パリ、1880年代後半~1920年代の僅かな期間の中でここまで表現方法
が変わるものか、そんなことを思いながら各時代から一人ずつ画家を抜粋しました。
また、昨年訪れたフィレンツェの余韻が未だ残っています。
王の命令による贅沢な建築物の多くは13~15世紀に大理石を積んで建てられました。
豪華絢爛な装飾美と、そして反対にあるバウハウス以降の無駄を削ぎ落とすless is moreの機能美。
私自身はどちらかと言うと足すより引きたい方ではありますが今回は敢えて足すこと。
それは過去のファッションを見ていても思います。
上記の画家の一人に影響を受け今回沢山登場する所謂アメカジファッション。
本来は作業するために作られたワークウェアならではの機能美がありながら、これは敢えて足しているのではないか?
と思うようなデザインが多く見受けられます。
最後に時代やジャンルを交錯しながら掘り下げていく中で見えてきたのが今回発表する”The fabric”。
Aquellosのチェックやストライプ生地は柄合わせをするために1枚1枚アトリエで裁断しています。
その時に発生する裁ち落としは全体の20~30%にもなります。
基本的に破棄することになるそれらの生地の残りを見ながらは悶々し何か出来ないか?と思っていたのが始まりでし
た。生地幅いっぱい使えばロスは減る、沢山の四角を無駄なく切る、ロスが減れば少しでも救われる。
首に巻いたり、肩にかけたりファッションアイテムの名前を安易に使ってしまうのはどこか野暮な気がしました。
主役は生地、ここ尾州の職人さんに一生懸命作って頂いた生地をじっくり味あう、そんなイメージです。
着用するだけではなく、置く、飾る、眺める、皆様のアイディアでどうぞお好きに使って頂きたい。
3人の画家シリーズから今回は発表します。