VELISTA（ヴェリスタ）のイージートラウザーズ（オリーブ）です。
2019AWで好評頂いたイージートラウザーをブラッシュアップさせたのが2020SSで展開しましたイージートラウザーズですが、そちらを更にブラッシュアップさせたのが今回のイージートラウザーズです。生地には19AW時に使用したビーバー素材を踏襲しつつも少しの柔らかさと軽さを加えた国産のビーバー素材を採用しました。元来コートに用いられるぐらいの目付342g/㎡で一見、重そうに感じますがSUPER110'sの極細ウールを使用していますので軽さは保ちながらも真冬に耐えうる防寒性も担保しています。
また19AWで使用したビーバー生地もそうでしたが多色な毛糸を用いたミックスウールの特徴となる暖色、寒色を横断するカラーコーディネートのし易さは今回も取り入れ、オリーブベースのミックスウールにしています。
その為、ベーシックカラーのダークネイビーからライトグレー、ライトベージュ、梳毛から紡毛まで凡そ殆どのカラーや表情の生地との相性は取れるようになっています。
19AWモデルに比べ2タック仕様にしたことで腰回りに程よくユトリが出来、例えば昨今多く発売されている腰位置ぐらいの着丈が短く身幅が広めのトップスとコーディネートする際に腰回りに適度なボリュームがある事で横幅のバランスが整いやすくなる効果も狙っています。

あとは昨今のミリタリーテイストが個人的にも気分なので、どことなくミリタリーなテイストを感じる雰囲気を表現しています。


下記の項目の通り20SSモデルを原則踏襲しています。

・手裁断（美しいシルエットの追求のため直線と曲線のバランスを取る）
・手縫いとマシン縫製の絶妙なバランス（適度な遊びが必要な部分は手縫いで、耐久性が必要な箇所はマシン縫製で）
・ボタンホール手縫い（片手でボタンの開閉が出来るぐらいの
・原則、パイピング処理（穿きやすさと見た目の美しさ）
・適度なテーパー（子供っぽいシルエットを避ける為、20センチ以下の裾幅にしない或いは膝幅と裾幅を差寸を付け過ぎない）
・ハイバック（腰で履かずヒップで穿く事で穿きやすさを追求）
・ウエストは背面をゴム仕様（食後のお腹の締め付けを軽減）


VLST_PA20AW_002_110_020A
MODEL:171cm SIZE:1着用





※以下はイージートラウザーズの軸になっているディテールについてです。

ボトムスの良し悪しにおいてシルエットと生地という要素は大きなウェイトを占めます。アウターやトップスと比較してもパーツの量は半分以下です。少ない要素で最適を引き出す。引き算の美学ですね。
これまでは高級生地と最高の手仕事で上質な洋服を追求する事が多かったのですが、今回は最適なものを見つける事をテーマに洋服作りを進めることにしました。
シルエットはレギュラーフィットよりも若干ユトリを持たせ、ワタリ幅は実寸はゆったりとでも穿くとセミワイド程度の程よいユトリラインを作り膝から下は穿いた時にストレートなラインを作るように実寸は弱テーパーを入れています。
アッパーのボリュームのないスニーカーにもアッパー、ワイズ共にボリューミーなブーツでもしっかり裾に収まるように適度な幅を保っています。
細すぎない裾はVELISTA（ヴェリスタ）が作るボトムスのテーマというか重要なファクトの１つとして捉えています。
理由は大人が穿けるスラックスに仕上げる為。実は明確なロジックがあり、ボトムスが逆三角形のラインを作ると子供っぽさを感じさせ、ストレートなラインには大人っぽさを感じます。
大人っぽさを保つためには真っ直ぐのラインを保つ事が重要で、そのため裾のクッションは極力入れず、ワンクッションに留める事が重要です。
更にハイバックにすることでヒップをすっぽり収められるので無用な皺が入りません。またウエストの後ろ帯部分のみゴムを内蔵しているのでお腹周りの気になる方には嬉しい心遣い、こういう所に気が利くのが大人目線の物作りです。
真っ直ぐの美しいラインを保っているのでロング丈のコートからジャケット、ブルゾンまで様々な着丈のトップスを合わせても程よい身幅とワタリ幅が作るストレートラインが正しくゆったりと余裕を感じさせる大人の雰囲気です。