「ebony-ブランド初のニットに込められた温かいメッセージ」
エボニーのイメージの中に感じる「強い女性像」このキーワードに毎シーズンテーマを設け、様々な女性像を描いています。
ファーストコレクションから拘ってきた素材への追求。そしてオリジナルテキスタイル。
今期もオリジナルのテキスタイルを多用することでエボニーらしいリアリティのある民族を表現しています。
エボニーの大きな特徴であるオリジナルテキスタイル。職人と二人三脚で作り込むテキスタイルは、これまでは女性の強さをシャープさとエレガントさで表現していましたが今回初の試みであるニット素材によって女性の強さに新たな一面が加わったように思います。
SRY編み機を使い通常の編み機では実現できない複雑な表情の編地や絨毯を織る際に使われることの多いゴブラン織りを用いたペイズリージャガードなどの多種多用な糸や生地の組み合わせ、要所要所にあしらわれた愛らしさを感じさせるフリンジ使いによってデザインに奥行きが増したことで力強さが加わり、一見近づき難さも感じさせたこれまでのコレクションと違い多くの女性を迎え入れるような懐の深さを感じさせることに成功したように思います。
デザイナーとして、又ブランドとしての成長が垣間見られる今シーズンは現代の荒波を戦う世の女性に向けてデザイナーなりの温かいメッセージのようにも思います。
大げさでなくリアリズムの中にあるメッセージを内包したことは見た目だけでなく、その姿勢からもアントワープのデザイナーDRIES VAN NOTENを彷彿とさせシーズンを追う毎にステップアップしているエボニーのコレクションは今シーズンは特に見ごたえ十分だと思います。