Aquellos Ojos Verdes BISHU(アケヨス・オホス・ヴェルデス・ビシュウ)。
世界が認める織物産地、愛知県「尾州」。
そんな尾州の生地に魅了されたデザイナー永田氏が立ち上げたブランド。
ちなみにこのブランド名はラテンの名曲から取っているとか。
Aquellos Ojos Verdes 、スペイン語で「あの緑の瞳」。
正直長すぎて覚えられないブランド名・・・
でもその背景を知ると、なぜかすっと体に入ってきます。
ブランド名だけでも、ただならぬ雰囲気を感じますよね。
今回はそんなブランドより「スリーピングシャツ」をご紹介いたします。
スリーピングシャツとは、その名の通り「寝巻き」として軍で使用されていたシャツ。
今作はロシア軍のスリーピングシャツがモチーフとなっています。
まずは、同ブランドの代名詞でもある”生地”から。
オリジナルのロシア軍スリーピングシャツはコットン製のガシっとしたものが一般的。
それと比較して、アケヨスのシャツはレーヨン✖️リネン✖️ラミーの三者混で構成されています。
レーヨンのとろみや艶、そしてリネンの表情あるコシ・ハリの風合いが相まって、とてもエレガントな印象。
ラミーもリネンと同じく麻ですが、比較的繊維が太く、よりコシがあるのが特徴。
少しラミーが入ることによって、ガシっとしたラフさが加わります。
「寝巻き」とは到底思えない、さすがと言わざるを得ない生地感です。
続いて形について。
シルエットはボックスシルエットで、
首元はヘンリーネックの2ボタン。
袖口の雰囲気も抜群。
カフスと留めた時のフワッとした雰囲気は、
フランスのヴィンテージドレスに見られるようなパフスリーブを意識したのだとか。
閉めてもらっても、ラフに開けても、袖捲りしても、どの着方にもハマってくれる優秀な袖口。
また、全体的なサイズ感もちょうどよく、今の時期だとインナー使いとしても重宝できます。
そして突筆すべきは”後付けの袖”。
実はデザイナー永田氏はイタリア南部のカミチェリア(イタリア語で”シャツ屋”)で修行を積んだ経歴を持っています。
このスリーピングシャツにもその技術が惜しみなく使用されているのです。
一般的に大量生産されているシャツは、生産効率上、裾から袖まで一気に縫い上げられます。
しかし、アケヨスのシャツは前見頃と後見頃を縫い合わせた後に袖を後付けしています。
これはManica Spostata(マニカ スポスタータ)と呼ばれるテーラーメイドやオーダーシャツに用いられる技法。
実際に脇下をご覧いただくと、見頃と袖の巻き縫い部分の位置がずれていることが分かります。
人間の体の構造上、体に対して腕は捻れて前に出ています。
見頃に対して袖を斜めに縫い付けることで、人体の構造に寄り添ったシャツの形になるのです。
着用時の腕の振りやすさや肩周りの美しさはこの技法によるもの。
これは是非店頭で袖を通してみていただきたいです。
アケヨスらしいディテール。
それは手縫いで付けられているガゼット。
これは完全に”飾り”です。
イタリアではカミチェリア毎の意匠を表すものとして、こうしたガゼットをつける風習があるようです。
そんなイタリアの精神をスリーピングシャツにまで落とし込む世界観に魅了されます。
白地に白文字でさりげない尾州の”B”。かっこいいです。
スリーピングシャツといえばの「ホワイト」と、より男らしい「オリーブ」の2色展開。
そしてリネン100%で仕立てられたの素材違いの「アイボリー」も。
オリーブはAUBERGEのGARDEN47に合わせてミリタリーっぽく。
ホワイトやアイボリーはアケヨスのトラウザーに合わせてリラックススタイルで。
各少量入荷ですので、お早めに。
お待ちしております!
山口