今回はAUBERGE(オーベルジュ)より上品なカーゴパンツをご紹介します。
その名も「GARDEN M-47」。
名前の通り、形はフランスミリタリー「M-47カーゴパンツ」から、
そして生地はフランスのトップブランド”HERMES”のカジュアルバッグ「ガーデンパーティー」より着想を得た逸品。
まさにフランスのラグジュアリーとミリタリーが融合したハイブリッドパンツ。
まずはその生地から紐解いていきましょう。
ガーデンパーティー。
先述した通り、HERMESを代表するカジュアルバッグ。
元々は剪定バサミやスコップなどの園芸用品を持ち運ぶためにデザインされたバッグです。
そのガーデンパーティーの中でも代表的であり人気の高い素材が「トワルアッシュ」。
いわゆるオックスフォードで、縦横それぞれに2本の糸を揃えておった平織生地です。
デザイナー小林氏も17年愛用するほどの名作。
今作の生地は、デザイナー私物の使い込まれたガーデンパーティーよりインスパイアされたもの。
日に焼けて色褪せたガーデンパーティーの一部分から色出しされています。
縦糸にはAUBERGEの代名詞でもあるスヴィンコットンを100%使用。
日焼けしたような絶妙な色合いの極上素材をふんだんに使用しております。
そして横糸にはリネンを。
スヴィンの滑らかさに対してハリコシのある印象の素材をチョイス。
コットンとリネンでは糸の縮率が違うため、生地の凹凸感が生まれます。
この絶妙な表情がたまりません。
そんなフランスブランドが誇る名作バッグの生地を、
フランス陸軍が誇る名作パンツに落とし込むセンス。
さすがと言わざるを得ません。
冒頭にも少し触れましたが、形のルーツは「M-47」。
ここで少しだけM-47についてお話を・・・。
昨今人気の勢いがすさまじいように感じる”ミリタリー”。
このM-47はフレンチミリタリーの中で絶大な人気を誇る名作です。
大きく分けて1940〜50年代の”前期型”、そして1960年代の”後期型”に分けられています。
実は前期の中でもボタン数など細かなディテールで、初期・中期・後期と細分化されることもあります。
(ここでは割愛しますが、調べてみると面白いです)
AUBERGEのGARDEN 47は後期型M-47をベースに製作。
後期型の特徴は剥き出しのトップボタンとややテーバードがかったシルエット。
軍用とは思えない綺麗なシルエットや細かなディテールはフランスの服飾文化を感じます。
手の入れやすい角度に調整されたポケット、
しっかりとマチがある実用性の高いカーゴポケット、
生地を二重にすることで補強された膝部分、
(単に丈夫になるだけでなく、膝が出ることがなく美しいシルエットを保ちます)
そして裾のシルエットを調節できるアジャスター・・・。
名作といわれる所以は、各所のディテールにも見てとれます。
ミリタリーでアウトドアな無骨さも残しつつも、
HERMESのラグジュアリーで上品な雰囲気も感じられる。
こんなM-47はおそらくどこを探しても見つけられません。
入荷したてのMAATEE AND SONSのシーアイランドコットンシャツに、
ALDENのような男らしい革靴でベタに合わせて欲しい一着。
大人のM-47パンツ、サイズを選べるうちに是非。
(AUBERGE) GARDEN 47
山口