本日は僕も大好きなブランド「MAATEE & SONS(マーティーアンドサンズ)」より、
甘撚りムラ糸のシャンブレーシャツジャケットをご紹介いたします。
昨年より引き続き展開された”甘撚り”で”ムラ糸”な素材を使ったシャンブレー生地のシャツジャケット。
単語だけ並べるといまいちピンと来ない表現もあるかと思います。
今日は一つづつ見ていきましょう。
まずは「シャンブレー」について。
シャンブレーとはいわゆる平織の一種で、基本的にはタテ糸に色糸を、ヨコ糸に白糸を使い作られる生地です。
色糸と白糸が表面に交互に出てくるので、色に深みが増すことが最大の特徴と言えます。
タテに色糸、ヨコに白糸はあくまで定義的なものなので、MATEEのこのジャケットは全く違った組み合わせで作り上げられています。
デザイナー松村氏いわく、タテは先染め(糸を先に染めること)で硫化染したインディゴ糸を、
ヨコには「何色を使ったか忘れた」とのこと・・・。
さらに製品に仕上がってからも染めを施しているので、絶妙な色味に仕上がっています。
写真ではなかなか伝わらない部分ですので、こちらは是非店頭で確かめてください。
一言でいうなら「ナイスカラー」です。
次は「甘撚り(あまより)」について。
まず大前提の話ですが、「糸」というものは全て撚って作られます。
生糸の段階では繊維が細すぎるため、原料の糸としては成立しません。
「撚る」というのは、生糸の繊維の方向を揃えて、束ねてねじること。
この細い繊維が束ねられることによって1本の糸として完成します。
「甘撚り」というのは、この捻る作業をゆるーく行なうことを指しています。
対義語としては「強撚(きょうねん)」です。
では、撚りを甘くするとどうなるかというと、撚られた繊維間に通常より大きな空間ができるので、
とても柔らかくフワッとした糸になります。
また1本の糸に対する繊維密度も低いため、軽やかな着用感にも繋がります。
最後に「ムラ糸」。
その名の通りですが、ムラ糸とは糸に”ムラ”が生じているものです。
何に対するムラなのかというと糸の「太さ」。
通常は1本の糸は均一の太さに仕上げますが、ムラ糸はあえて太い部分・細い部分と糸の太さにムラをつけられています。
そうすることで生地にも自然と凹凸感が生まれ、どこかヴィンテージ感のあるような雰囲気を演出してくれます。
また、着心地にもいい影響が。
凹凸感によって肌にまとわる面積が減り、サラッとした着用感も得られるのです。
さらにMAATEEのシャツジャケットはかなり薄手に編まれているため、夏場でも持ってこい着心地に仕上がっています。
最後にディテールを。
今季のシャツジャケットはUSミリタリーのM-43ジャケットをベースに作成されています。
とても無骨な印象が強いミリタリージャケットですが、そこを素材と色使いで色気を備えた現代的な一着へ仕上げるところが、MAATEEのいいところ。
男らしさも残しつつ、大人の余裕というか、色気をとても感じるシャツジャケット。
これからの季節はもちろんですが、夏場にもタンクトップや薄手のTシャツにサラッと羽織って欲しい1枚。
めちゃくちゃ柔らかくて軽やかな着心地に驚くこと間違いなしです。
選択表記は「水洗い✖️」なのですが、デザイナー松村氏もガシガシと使いたいタイプ。
洗濯後の毛羽立ちやクタクタになっていく変化までも視野に入れた製品です。
あくまで自己責任ですが、着込んでいくことで得られる経年変化も楽しんでいただきたい一着。
奇跡的に残っています。早い者勝ちです。
今週末、店頭にてお待ちしております!
山口
(MAATEE & SONS) MILITARY JACKET (DEEP CHACOAL)