今季から取り扱いがスタートしたロンドンのブランド、L.E.J。
デザイナーは元LANVIN、Paul Smith、Dunhillなどで15年のキャリアを積んだLuke Walker(ルーク・ウォーカー)。
いずれもロンドンやイタリアではビッグメゾンに位置するブランドでの経験から醸し出されるエレガンスは初見で直ぐに分かる、このブランドの重要なエレメント。
ただディテールを見てみると、意外な発見が、、、
メゾンブランドとは対極に位置するような職人的で和洋折衷なデザインが盛り込まれ、またヴィンテージのディテールを用いた物作りが要所要所に散りばめられていて、それが、どことなく漂う異質なブランドポジションの重要なファクターになっています。
此方のミリタリーのホスピタルジャケットをベースに、画家が着用していたスモック、中国のマンダリンジャケット、そしてパジャマなどの要素が盛り込まれています。更に楕円型のポケットにはVポケの意匠が施されていたりとディテールには30年代のユーロワークの要素まで入り込み、ある種の服オタク的な作り込みは、かなり独自の空気感があります。
ただ、ディテールや表層的なデザインの前に着用時のシルエット(特に肩回りや身幅と着丈のバランス)、採用する素材の特性(このモデルだと着用を続けた時に起こるリネン特有のヨレと退色をプラスへ昇華させることを念頭に、このデザインとのマッチングが組まれている)を理解した上でデザインを進めています。
そしてエンジニアリングと建築のインスパイアが彼のデザインのプロセスになっています。
エレガンスと構築的且つ職人的なアイテムを是非、体感してみてください。