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【NICENESS】 AW24 | EPISODE #01 Elsewhere

EPISODE #01
AUTUMN / WINTER 24

今年の夏の暑さの正体は、エルニーニョ現象の終わりとラニーニャ現象のはじまりなのだとニュースで知りました。エルニーニョはスペイン語で男の子、一方のラニーニャは女の子を意味するのだとか。こうも暑いと、去年歩いた北アルプスの山の上はまだ涼しいこととか、世界のどこかでは雪が降っていることとか、それこそエルニーニョ現象が発生するペルー沖はクリスマスシーズンだったりするなんてことが信じがたく、とおいせかいの物語のように感じてしまう。

そういう、“ここではないどこか”に想いを馳せる行為って案外意識していないとできなかったりするし、意識することで見えている世界の深度は格段に変わるものですよね。それってたとえばですが、洋服を手に取ることでもできる行為であって、その意識があるかどうかでは服への愛着や理解や、極端に言ってしまえば自分にとってのそのモノの価値みたいなものが変わっていくだろうなとさえ思います。極端ですが。今回リリースしたAUTHUR(アーサー)というレザージャケットが、そんなことを改めて思うきっかけにもなって、このテキストを書いています。


AUTHURは、1970年代のトラッカーデニムジャケットをリファレンスとしたデザインなのですが、それぞれ表情も個性も全く異なる革で作られています。2mm厚の肉感、男っぽいワイルドな印象を持つホワイトテール種の鹿革を使用しているのはAUTHUR。ホワイトテールディアは、普段は山の上で過ごしていますが、冬になり寒さが厳しくなると、ときに街まで降りてきたりもするのだとか。温厚そうな顔立ちで山を降りてくる姿を想像してみてください。柔らかくしなやかな肌触りはそんな性質の表れだったりするのかもしれません。

本当は身体的にその場所に行って見聞きしたり経験することが出来ればいいけれど、なかなか難しい。それでも、手の中にあるデバイスに文字をタイプしたり話しかけたりするだけで手に入る情報だけではなく、まったく違った個性をもつAUTHURの背景に想いを馳せて、“ここではないどこか”を想像することでも、わたしたちの世界はぐっと深く、広くなるように思います。

ナイスネス(NICENESS) AUTHUR / アーサー ( トラッカージャケット - ディア )
(NICENESS) AUTHUR / アーサー ( トラッカージャケット – ディア ) – BROWN

ナイスネス(NICENESS) AUTHUR / アーサー ( トラッカージャケット - ディア )
(NICENESS) AUTHUR / アーサー ( トラッカージャケット – ディア ) – BLACK

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