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【22SS BESPOKE SHIRT order fair】DesignersやLaxury Brandでは踏み込めない領域でカジュアルシャツを仕立てる

【DesignersやLaxury Brandでは踏み込めない領域でカジュアルシャツを仕立てる】
とてもとても長文なので要点は青字の部分だけ読んで頂ければと思います。

introduction
French Vintageの熱狂から始まったのか、CELINEで神格化されたフィービーファイロのアイコニックなシャツが未だに影響を生み続けているのか、昨今バンドカラーがシャツのモデルとしてポジションを確立しました。

14年前のOPEN当初にグランパシャツを散々提案していた当店にとっては、ようやくかという気持ちと、やっぱりなという気持ちが混ざり合っています。(グランパシャツはOPEN時の当店selectionの一つジャックマルソーでもお馴染みのモデルでしたしね)

やっぱりなと言う後者の理由は昨今の温暖化による夏のリラックススタイルがそうさせたと思っています。
ノーカラーJKTの盛り上がりは間違いなくメゾンマルジェラですが実は20年近く前のマルタン時代の④ラインから発売されていたりエルメス在籍時にも存在したりとモードの世界では脈々と存在し続けてきた一つのデザインでもあり、今回のバンドカラーとの文脈で言うとFrench Vintageとの親和性が非常に高い事からも不思議な巡り合わせを感じずにはいられません。
(エルメスはフランスのブランドですし、マルタンが在籍していた後の④ラインには少なからず、その経験が影響を与えていたと推測出来ます)※勝手な考察は楽しいですが、そこを掘り下げても今回のプロダクトには大きな因果関係がないので、これぐらいに留めておいて。

それとは別にリラックススタイルの一つのディテールとして襟周りのデザインを簡素にする引き算の美学と言うかLESS IS MOREの精神と言うか、その辺りとの連動が一気にバンドカラーに市民権を与えたと思っています。

少し前には、その前触れがありました。
そう、オープンカラー(開襟)がそうです。台襟の無い首を囲うことがなく、第一ボタンも開けた状態がデフォルトという、そのデザインは、とても清涼感を感じさせるデザインとして持て囃されました。

そして次の清涼感を持ったディテールの担い手として登場したのがバンドカラーでした。
低く設定された台襟や衿の無いディテールはシルエットで見れば丸首のカットソーのようにカジュアルな印象も併せ持っています。
少し早く市民権を得たノーカラーJKTとの相性も言わずもがな。。

コロナ禍によるリラックスムードを求める空気感も相まって、本当に購入される比率が襟付きのデザインと比較してもグッと増えたように感じます。

そんな一定の市民権を得たバンドカラーですがリラックス感を持たせるデザインを強調するように身幅や着丈が大きく長くなっているものが多いのも一つの特徴。
それはそれでカッコイイし、スタイルを作ってくれるもの確かですが、やっぱりバリエーションが欲しくなるのも人の常。と言うか服付きの方の心理。

昨年辺りからメンズファッションでもオーバーシルエットからレギュラーシルエットの回帰が顕著になり、タックアウトした時の見え方も少しバランスを変えなければいけなかったり、タックインした時にロング丈だとゴワゴワとなると言う課題もあります。

(main subject〜本題)
タックインとタックアウト、いずれも姿も絵になるようなシャツ。
欲張りなようですがシャツの醍醐味の一つはタックインスタイルだと自負しています。
そして大切にしたいのが決してビジネスに陥らないスタイルです。
そこには肩幅、中胴、下胴に繋がる一つのラインが、とても重要で今作では、そこに重点を起き、腕周りの分量やカフス幅、勿論、襟幅然り、前立てとのバランスに注意しパターン制作しています。
そこには14年前のグランパシャツから始まり、ビスポークに携わる経験と国内外様々なブランドのセレクションによる審美眼が合わさって地肉化した末のプロダクトです。


タックアウトした時のバランスも当然、考慮し前丈と後ろ丈の前後差を殆ど無くしています。着用した時の体の厚みを考慮して平置きしてみるとやや後ろ丈が長くなりますが、着用するとご覧の通り前後差はほぼ無くなります。


パンツのポケットに手を入れた時の生地の持ち上がりも極力無くしています。

女性が着用するイメージも当然前提に制作しています。
シアーなアイテムやシースルーアイテムでマニッシュでモード感がある着こなしがオススメです。

ナポリのカミーチャ(シャツの仕立て屋)のようなジャズで言うところのインプロヴィゼーンのようなパタンナーとのディスカッションと、緻密な手仕事では右に並ぶ国は未だ多くない日本のオーダーシャツファクトリーの構築的な物作り、そして
大阪の地域で江戸時代から130年以上続く服地メーカーとしての機屋としてのプライド。
そして時代の匂いを嗅ぎ分け続けてファッション領域で本質を追い続けたVELISTA。
この4つの要素がとても良い塩梅で調和されたと思います。

とても個人的でありながらも一定の人の心には刺さるシャツなのではないかなと思います。

(紆余曲折)
そもそも時代のニーズに応えようとした訳ではなく、既にコロナ前には最終サンプルを作り終えていたモデルが今回のバンドカラーシャツ。

それが何故今のリリースになったかと言うと、コロナ前の段階では量産する予定でいました。
ただコロナで一旦リリースを止めた後に、前回のオーダー会でも制作を依頼しているビスポークシャツの工場さんとの出会いがあって、量産ではなくオーダーメイドのラインとしてリリースする形へと軌道修正することになったからです。

長くVELISTAを以前から御利用頂いている御客様には承知の事実ですが、これまでもオーダーシャツは展開していました。

ですが生産をお願いしていた工場さんがドレスシャツに特化していた為、どうしてもカジュアルに落とし込むには固い印象が拭えませんでした。

ですが今回のお取り組みさせて頂いている工場さんと一緒に携わって頂いているのは130年以上、生地屋(昔で言うと反物屋)としての歴史を持つ服地メーカーさんでオーダーメイド部門だけでなくカジュアル部門も存在する固さと甘さの両軸を理解されている為、以前の工場さんでは不可能だったヴィンテージのスタイルとイタリアナポリのカミーチャスタイルのMIXした今回のモデルを実に深く理解頂いての制作が実現した訳です。
因みに服地メーカーさんの取り扱うスーツ地には、

Loro Piana、DORMEUIL、SCABAL、CARLO BARBERA、TAYLOR & LODGE、FRATELLI TALLIA DI DELFINO、LANIFICIO DI TOLLEGNO、VITALE BARBERIS CANONICO、、、
そしてもちろんドレスシャツに使われるシャツ地も
DAVID&JOHN ANDERSON、ALBINI、THOMAS MASON、、、
反物の酢いも甘いも知り尽くしてます。

やっぱりVELISTAが目指したいのはゴリゴリのドレススタイルだけでなく、デイリーユースなカジュアルスタイルも表現したいし、今はジェンダーレスなプロダクトとしても成立させたスタイルです。

(デザインに於ける重要管理点=KPIは?)
最も重視したのは、やはり襟の形状。。
襟高の設定には、とても苦労しました。男性の首周りと女性の首周りでは寸法が大きく異なりますし、それぞれがバランスよく見える為には後ろ襟の高さから前下がり部分(第一釦)の傾斜及び形状をシャープに保つことを重要視しました。襟先の高さを後ろ襟の高さよりも低く設定しているのでフロントやサイドから見た時にシャープに見えます。
そして第二釦を開けた時に襟の跳ね方、Vゾーンの領域。その為に使用する芯地も可能な限り薄くしながらも適度な堅牢度も併せ持つものを選択。


裁断・縫製を担当頂いたのはビスポークシャツを長年手掛けれててきたシャツ工房さんですが、イタリアサルトではおなじみのマニカ・スポスタータや本カンヌキもお手の物の凄腕工房。
イタリアサルトの持つ柔らかさをカジュアルに落とし込みました。

そして袖の形状にも拘りを持たせています。袖をロールした時に肘の下の位置で一折りした時に程よく腕の太さに添うようにしました。

腕まくりし易い小丸カフス、そして美しいカフス幅と柔らかなカフスの芯地です。

そして若干、前振り袖(マニカスポスタータ)で袖付けする事で腕の可動もラクラク。脇下の画像ですが、袖の縫い合わせ部分が身頃の縫い合わせ部分よりも前に位置しているのが分かると思います。


タックインした時の背中ボリュームとインした裾の収まり具合と適度なボリューム感、分かるでしょうか?


ヨークは正取りです。パターンによって肩周りの可動域は十分取っていますし、生地が二重になるスプリットヨークは敢えて採用していません。

収まりの良い身幅。タックアウトした時の縦に伸びるラインの美しさ。パターンと仕立ての良さが分かると思います。

王道のナポリスタイルは勿論、フレンチワークからアメリカントラッド、そして場合によっては和装的要素も兼ね備えたデザインになっています。



BRITISH ARMYのカーゴパンツにも相性良し。

モード感のあるパラシュートパンツをモディファイしたボトムスに合わせるとグッとモードなスタイルに変貌します。

Loro Pianaのドレスパンツで直球のドレススタイル。上下のバランスが絶妙。

一見、和装のようにも見える凛としたバランス。

勿論、ノーカラーJKTとの相性もバッチリです。

勿論、ジャケパンスタイルもこの通り!

 

採寸して御客様の体型に近いサイズから寸法補正します。
今回は3つのサイズゲージ(サンプル)を御用意しておりますので目安となる着用感を体感頂けます。

 

如何でしたでしょうか?オリジナルで制作したビスポークのバンドカラーシャツ。個人的趣向でスタートしたプロダクトですが幾人かの方(男女問わず)の琴線に触れたのではないでしょうか?(多くの方に受け入れられるとは思っていませんが、気に入ってくださる方にはいると信じて明日からのオーダーフェアお待ちしたいと思います)
詳細は下記です。

「開催期間」
 4月9日(土)〜4月17日(日)


「オーダー内容」
(カラー(襟型))一押しはバンドカラーですが様々なデザインを選んで頂けます
 30種以上からお選び頂けます
 スプレッド
 カッタウェイ
 ボタンダウン
 ワンピースカラー
 セミスプレッド
 レギュラー
 タブ
 ラウンド
 ウィングカラー
 ショートカラー
 ロングポイント
 イタリアンラウンド
 ポリゾンタルワイド
 ドゥエボットーニ
 ピンホール
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(カフス(袖口))
 ノーブル
 ラウンド
 スクエア
 直角
 大丸型
 小丸型
 角落型
 フレア型
 ミラノカフス
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(ファブリック(服地))
 200種以上の生地からお選び頂けます
 DAVID&JOHN ANDERSON (ITALY)
 THOMAS MASON (ITALY)
 ALLVINI (ITALY)
 ALBIATE (ITALY)
 CANCLINI (ITALY)
 MONTI (INDIA)
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(ボタン(釦))

 水牛
 ナット
 シェル(貝)

(芯地)

 ・10種類以上の芯地からお選び頂けます。

(サイズ)
 ・原則、どんな身長、体型の方でもお作り頂けます。サイズサンプルも御用意しています。

「納期」
 御注文日から3週間(最短4月下旬~5月中旬) ※生産状況により若干の遅れが発生する可能性もございます
 ※オーダー時に全額御支払となります。

「販売価格」
・2万8000円〜6万円(税別)
 ※生地により変動致します。
 (例)トーマスメイソン生地で2万8000円(税別)、DAVID&JOHN ANDERSON生地で5万円

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