Isabella Stefanelli(イザベラ・ステファネッリ)
先ずは、この曲を聴いて欲しい
音楽好きな私はデザイナー、イザベラの聡明で知的、思慮深い素直な人柄が、このデーモン&ナオミの楽曲を想起させる
世に存在するブランドは数あれど、洋服を形成する生地(糸)、パターン、デザイン、裁断、縫製まで一人で完結することが出来るのは非常に稀有である

発見
時代は遡り、2015年〜16年ごろ、、
キャロルクリスチャンポエル(CCP)のメインデザイナーが自身のブランドを始めるらしいぞ、、風の噂を耳にした、、デザイナーは何やら女性らしい、、、
まさか!? 驚いた
あの男性的フェティズムの代表のような構築的なコンケープショルダーのテーラード、超タイトで立体裁断の極北の様なパンツ、あの退廃的で前衛的な様相、それを生み出していたメインデザイナーが女性だったと言う事
2016年と言えば巷はスキニーの時代が終わり、VETEMENTが衝撃的なコレクションを発表した年、ダランと垂れ下がった長過ぎるスリーブに大胆に解体再構築されたウェアはオーバーサイズでストリートの匂いを纏った、明らかに新しいトレンドが産声を上げた、そんなエポックメイキングな年
一体、どんな洋服を世に放つのか?
90年代後期〜00年代にCCPに心酔していた身としては気にならない筈はなく、ネットを駆使して情報を集める毎日
そして遂に、その初めてのプロダクトをとあるショップのブログで見る事になる
意外、洋服ではなくレザーバッグだった、あのCCPを彷彿とさせるクタクタに形を崩し手縫いであろう太い番手で縫われたステッチに胸が躍った
明らかにファッションとは対極に位置する、佇まいから雄弁に語られる意思のようなものを感じた
それから数年間、いちファンとして、そのブランドを見てきた(時が来れば、自身の手で届ける側に立とう、そんな想いを胸に忍ばせて)
展示会にて
更に時は過ぎ2024年2月末
想い通じて、展示会へ
壁際ラックに掛けられたトワル、、中央のテーブルには手織りらしき生地とハガキサイズの紙に描かれた抽象画のようなデッサンがランダムに生地の上に置かれている、それらの生地がテーブル一杯に並んでいる、
また別のテーブルにはイギリスMOON社のサンプル生地が様々な寸法で重ねて置かれていた
別の壁際にも数十種類のサンプル生地やクシャクシャのレザーバッグや手編みらしきニットプロダクトが並ぶ
16年ほど、国内外の展示会に参加したが、こんな形態は初めて
本来、現物サンプルが並んでいるのが一般的だが、イザベラには、そのような常識は存在しない(と言うか彼女の洋服作りを考えると、それは非現実的だと理解出来る)
その場では、トワルでモデルを確認し、用意された生地の特性を担当者からの説明を聞きつつ、脳内で、どのモデルに最適なのか、シーズンテーマを体現するモデルと生地の当て込みをクリエーションしなければならない
VELISTAを始めてビスポークを経験し、量産の洋服製作にも多少の経験を積むことが出来た自身としては、幾度も体験している工程ではあるが、グッと気合を入れ直し、大小様々な生地サンプルに触れ、時にはトワルに当てて見て、出来上がりをイメージする
そして、それが並ぶサロン(salon de V)を想像する、洋服とそれが並ぶ空間、脳内で一気にクリエイトする約2時間弱
強烈な印象を放つ手織りの生地、触れた手の感触、殴り書きのような抽象的なデッサンが実は的確に生地を表現している事を理解出来た
高揚感と虚脱感が行き来する帰り道
24年、移転と共にVELISTAのラインナップに加えられたことに、改めて、感謝したい
Isabella Stefanelli(イザベラ・ステファネッリ)
経歴
南イタリア・プーリア生まれ
父親はイタリアンテーラーの職人で幼い頃から服作りが身近にある環境で育ちました
イタリア・マルケ州の街ウルピーノで学生時代を過ごし、ファッションを学びました
その後、Carol Christian Poel(キャロルクリスチャンポエル)でヘッドテーラーを数年間務め、その後はイギリスのMaharishi(マハリシ)でデザイナーを経験。
ニューヨークでArtful Dodgerというアーティストのフリーランスデザイナーを担当し、Rick owens(リックオウウェンス)でテーラードジャケットやコートのデザインやパターン開発を手掛けました
ヨーロッパに帰国後にはスペインのブランド、Boris Bidjan Saberi(ボリス・ビジャン・サベリ)のジャケットやコートの開発を手掛けました
各国の錚々たるブランドで実績を積み重ねるキャリアの中で独立して物作りをする事が出来ると思える瞬間が現れたことが結果的にブランドを立ち上げるきっかけになりました
決してデザイナーになりたい、名声を手に入れたいと言うことが目的ではありませんでした
また自身の洋服作りにはテーラーであった父親の存在や幼い頃のイタリアの原風景が大きな影響を与えており、自身の創作意欲の重要点になっています
そして2016年、自身のブランド、Isabella Stefanelliをスタートしました
初めてのプロダクトは、レザーバッグ、長年洋服作りに携わってきたことから、一度洋服から離れた物作りをしたいと言う思いから、素材として特別に好きだと言うレザーを用いたバッグの制作をスタートに選びました